ご挨拶
当院では、2000年頃から徐々に治験実績を積み上げて参りましたが、更に治験を円滑に促進することを目的として、2013年(平成25年)4月に診療支援部門として治験管理室(旧 治験管理センター)を開設いたしました。
治験受託の窓口となる治験事務局担当者を置き、SMO(治験実施医療機関支援企業)と連携し、質の高い安全な医薬品・医療機器の開発に貢献しております。
最近では、日本と欧米の新薬承認までの時間差を解消するために、国際共同治験も増加しておりますので、十分に対応できる実施体制を整えております。
日本においては、治験に対する一般的な理解が十分とは言い難いと感じております。当院のホームページをご覧いただくことにより、より多くの方に「なぜ治験が必要なのか」についてご理解いただければ幸いです。
試験管の中での実験や動物実験により、病気に効果があり、人に使用しても安全と予測されるものが「くすりの候補」となります。この「くすりの候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さまの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。 こうして得られた成績を国(厚生労働省)が審査して、承認されたものが「くすり」となります。 「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験を「治験」といいます。
治験は病院で行われます。治験を行う病院は「医療品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)という規則に定められた要件を満足する病院だけが選ばれます。 その要件とは 医療設備が十分に整っていること 責任をもって治験を実施する医師、看護師、医療スタッフなどがそろっていること 治験の内容を審査する委員会を利用できること 緊急の場合にはただちに必要な処置・治療が行えること、などです。
治験を行うためには、治験にご協力いただく方々(被験者)の人権や安全が守られなければなりません。 このために、治験を行う製薬会社・病院・医師は、治験のルールであるGCPなどの法令を厳重に守り、治験を行います
現在、世界中で数多くの「くすり」や「医療機器」が開発され、使用されていますが、今、使われている「くすり」や「医療機器」も前の世代の方や多くの方々の協力によって、国の承認を得ました。 次の世代や病と闘う人々に新しい「くすり」や「医療機器」を贈るためには、いま私たちが治験へ協力することが必要なのです。
国に承認される前の「くすり」や「医療機器」の治験に参加して頂く条件に合った患者さまには、医師から治験への参加についてお尋ねします。患者さまはどのような治験であるのか、十分な説明を受けることができます。説明を受けた患者さまが、ご自身の自由な意思で参加を決断し同意書に署名をして頂かなければ治験は始められません。 この「説明と同意」のことを、「インフォームド・コンセント」といいます。
治験への参加をお断りして頂いても、以後の治療や医師との関係性に何ら不利益は生じませんのでご安心ください。もちろん、説明を受けたその場で決めず、説明文書を持ち帰ってご家族に相談してから、治験に参加するかしないかを決めることもできます。
治験コーディネーターは、治験に関する医師からの説明を、より分かりやすく患者さまに補足説明を行ったり、治験に参加することになった場合には、来院や検査のスケジュールの調整などを行います。 患者さまと医師や医療スタッフとの仲介役となり、治験中の患者さまの不安や疑問にも幅広く対応します。
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