脊髄刺激療法(SCS)とは |
脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation:SCS)とは、脊髄に微弱な電気を流すことで痛みを和らげる治療法です。
薬では十分な効果が得られず、日常生活にも支障をきたす痛みに対して行われます。
SCSは神経の障害による痛みや、虚血による痛みに特に効果があるとされています。
痛みを和らげるほかに、末梢血管の拡張作用による循環の改善も期待されます。
生活スタイルに合わせて複数の設定を組むことができ、また、痛みの変化に伴いご自身で刺激を調整することも可能です。
夜間眠ることができる、姿勢が良くなる、食欲がわく、外出が煩わしくなくなるなど、生活の質の向上を目指します。
痛みが和らぐことで、これまで服用していた鎮痛薬の量が減り、副作用の軽減を図ります。
使用する機器について |
非充電式 | 電池が消耗した際には、交換が必要になることもあります。 |
充電式 | 定期的な充電が必要ですが、入れ替えの必要はありません。 |
SCSの流れ |
外来受診 | お悩みの痛みがSCSで和らげることができるか診察します。 手術内容やリスクについて説明します。 |
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トライアル (試験刺激) |
うつ伏せの状態で、腰の位置から局所麻酔下でリードを挿入します。その後、病棟で試験刺激を行い、効果の確認をします。 |
植え込み | トライアルで効果が認められた際に、刺激電極をお尻周囲またはお腹に植え込みます。 病状によってはトライアルを行わず、一度に植え込みを行う場合もあります。 入院期間はトライアルや最初から本植え込みの場合は、1週間程度です。 トライアルから本植え込みに移行した場合は2週間程度かかりますが、個人差があります。 |
術後 | 入院中は効果的に痛みが和らぐように、刺激の調整を行います。また、患者用プログラマの操作法などについて習得します。 退院後は、器械の設定状況や痛みの改善度合いを診るために、定期的な外来受診が必要となります。 |